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んちゃって英語ガイド

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ちょい旅

道に迷うのが好き。
迷った途端に旅が始まるから。

1987年夏、ワシントンDCでのこと。
学校から3人の子供たちが帰ってきた。
ジュースを出しながら聞く。
「メキシコのミイラを見たい?」
5歳のチビは「怖い!」という。
上の2人は『オフコース!』といい2人がかりでチビを説得。
さてと、行き先は「capital children's museum!」。
実は一番行きたかったのは私。
住所と地図を持って、出発。

家から20分ほどで、博物館の住所に着く。
見当たらない!
でもまいいや。車を止め駐車機にコインを入れる。
こっちだよ。3匹を引き連れて住所を目指して歩く。
該当する番地に見当たらない。
辺りには、窓に鉄格子の入った商店とペンキのはげた小さな家が並ぶ。
道には紙くずや空き瓶が散乱している。
ワーヤバイところかも。
店は良く見ると、営業していない。
家の前には数人の男性が座って、話している。手には茶色の紙袋。
中に入れたビール?飲み物を飲んでいるようす。
本当にやばいかも。
でも、3匹の子供たちをおびえさせないように、
面白い話を続けながら歩く。
ブロックの角の家の前に、白髪交じりの黒人男性が2人トランプをしている。
「すみません。ここ行きたいんですけどー」
声をかけると、住所を見て
「なんだ。西3って書いてあるよ。ここは東3。」
うわー。
やばいのは私。
イーストを西って思い込んで歩いてたんだ。

引き返して、無事に博物館到着。
その後、何を見たか良く覚えてないけど

迷って歩いた寂れた数ブロックの危険かもしれなかった地域
錆とホコリとアルコールと汗の匂い。
鋭い目線の人々。
何もわからず、母についてきた3匹の子供たち。
一緒に歌っていた『森のクマさん」。
笑顔で道を教えてくれた黒人のおじさんたち。
子供たちがもらったミント菓子。

そんなことだけ鮮明だ。
一番近く、一番強烈な”旅”だった。
by endoms | 2008-03-24 23:15 | 自分の旅