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んちゃって英語ガイド

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いとおしむもの なつかしむもの


捨てられない本がある。

1冊はおさるのじょーじ

黄色い表紙が茶ばんで
紙はごわごわになって
全体ぼわっと厚みが出て
表紙の角が取れていて
裏表紙に子供の歯型がついていて

すっかり暗記するほどなのに
何度でも読み聞かせをせがんだ子供たちは
スチーブとベッチー!
ジョ ジョ ジョージ!
って調子に乗って
裏表紙をカミッこしていつまでも笑ってた。
そうだ。
身体でぶつかりたいほど
この本が好きなんだ!


もう1冊は
古紙回収の袋から娘が抜き出してきた
これだけはすてちゃ駄目!
古いお菓子の本

結婚した当時に買って
何十年もこのレシピでお菓子を作り続けた。
300ページで400円。
1969年の出版。
だからアイスクリームは
フリーザーと茶筒で作る場合に分けて書かれている。
天火の温度は庫内に手を入れて測る。
日本では結局流行らなかった洋菓子も多い。
クリスコはバタより安い。
ラードで作るパウンドケーキには塩を加えると風味が増す
生クリームがなかったら卵の白身で代用できる

洋菓子が新しかった時代だ。

私の手元で30年以上
幸せに使いこなしたから
もう捨ててもいいかなーと思ったのだった。


「朝早く、卵の甘いにおいがして起きるとロールケーキ焼いてたよね。
おやつのパウンドケーキも
シュークリームもこの本のレシピだったよね。アップルパイは最高だった!桜餅も。
この本が台所にあるとわくわくした。」

台所の油、泡立て卵のしみ、小麦粉
紙も黄ばみ
青い表紙は破れ
子供たちをわくわくさせた「魔法の本」の面影はない。


でも
この本も捨てられない。


私は 
小さい歯型が3つついたおさるのじょーじで幼い吾子達をいとおしみ

娘は 
古い菓子本でオーブンからの母の匂いを懐かしむ
by endoms | 2009-02-13 01:09 | ブックレビュー