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んちゃって英語ガイド

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ツアーでドーバーへ


EVAN EVANSのツアーでリーズ城、カンタベリー大聖堂、ドーバー。
ロンドンを南西に下っていく。
ヴィクトリアコーチステーションまでホテルから迎えのバスに乗り、
行き先別のバスに乗り換えるという仕組みはどのバス会社も同じ。

出発時に驚く。
乗客の半分は日本人。
申し込み時には何も言われていなかったので超びっくり。
イギリス人ガイドが英日交互に話すという。
かなり話がダブってうるさい。
ガイドさんはいい人で日本語も上手いけど。

約2時間でリーズ城。

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イギリスで最も美しい城といわれている。
広大な敷地の湖に浮かぶような城。
ヘンリー2世、ヘンリー8世などが手を加えて、要塞から居城になっていった。
1920年代には爵位を持つ英国人と結婚したアメリカ人資産家ベイリー夫人が自宅として買い、
死後ナショナルトラストに寄付した。
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なくなるまでの47年間改修を続けたという。
古めかし差を出すため木材や敷物壁財にこだわり。
モダンなセンスで、イギリスのカントリーホームの男性的な野暮っさはない。
家具は18世紀のフランスのアンティーク。
時にはアールデコの家具が加わる。
英語の音声ガイド、
各部屋にいるガイドの話も聞きながら1時間半はあっという間で家だけ見ておしまい。。
少なくとも4回は結婚しているベイリー夫人。
華麗なるギャッツビーの生活をしたのか。
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次はカンタベリ大聖堂。
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土台に残るロマネスク、2つの時代のゴシック建築の尖塔を持つ広大な教会。
国王とのいさかいのあと騎士達によるベケットの暗殺、その後の奇跡から巡礼が絶え間なくやってきたという過去。
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ヘンリー8世による巡礼禁止令で寂れたあと、列車の開通で再び脚光を浴びることになったという。チョーサーのカンタベリー物語で有名だが、読んだことのある人は少ないのでは?
イギリス人ガイドはチョーサーはもっともっと書くつもりだったみたいですよ。
でも書かなくて良かった。学校の試験の範囲が広がらなかったから。

建物はイギリス国教会の総本山の貫禄がある。
トーマスベケットが最初に埋葬されたという納骨堂のガイドさんが彼のゴーストと呼ばれている石柱の修道士姿のシミを指差す。
大陸から聖堂の破壊に来た兵士は壁画の聖人の首をみんな叩き落した、でもセント・クリストファーだけはそのままに残しました。なぜでしょう?
旅の守護神だから。
自分達が無事に母国に帰れるよう破壊しなかった。
この教会の壁は全て壁画で覆う計画があった。文字を読めない人をキリスト教の教義を教育する目的。
ほら、ここの石に見当彫りがしてあるでしょ。
顔とローブとこれは手よ。
薄暗い納骨堂の石の壁にしっかり彫られ千年眠る壁画の下書き線。
ロンドン塔に人間が指でかきむしって壁に残した文字や絵があった。
皮膚が毛羽立つような恐怖感を案じたが
教会の下絵の掘り込みはその後のネグレkトもあった完成されなかっただけのことか。
納骨堂、石棺、
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ステンドグラスの窓
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それにこの聖堂にはたくさんの個人の礼拝堂。ガイドは言う。
死後沢山の人にお祈りしてもらうと早く天国にいけたのよ。だから有力者は個人の礼拝堂を競って作ったの。
なるほど、西洋社会に行くと教会とお城は山のように見るけど、こうして話を聞いて実物を見てやっと理解が深くなる。
ランチにビーフの煮込みとパイ。アップルパイのデザートでどれも美味しく、完食。
イギリスは美味しい!
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最後はドーバーへ。
私はここが最大の目的地。
チョークと呼ばれる白亜の切り立った崖。
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ユーロスターの海底トンネルの入り口。第2次大戦の爆撃と迎撃のあと。
対岸には雲の中にフランスが見えたような、どうかなー?
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でも一日曇り時々雨の良い天気。21度ぐらい。夜になってから雨。

ロンドンに帰ってきて、
水曜日なので9時まで開館のナショナルギャラリーに絵を見に行く。
ラッセルスクエアから歩いていってみようとまたとんでもないことを試みる。
方向音痴改善のはずがまたまた迷って自信喪失。雨も降ってくるし。
20分といってたんだけどなー。1時間歩いて美術館到着。
達成感?と良い汗と雨のしずく。


すごい人出で、混雑。
今日はオランダの画家達とルーベンスを見る。
ルーベンスの描く肉体は豊かで血が通う。
若いときはこの豊かさが 脂っこくって!としか思わなかったのに、これもありかーと思える。
生命力と音楽を感じる絵。中の一作にひきつけられた。
サムソンとデリラの絵。聖書の物語だよね。
サムソンの強さに困り果てた敵軍が一案を。
若い女性デリカに誘惑させ、弱みを握って倒そうというのだ。
サムソンは自分の弱みは髪の毛と漏らしてしまう。
それを聞いた敵が眠るサムソンの髪の毛を切り取る瞬間の緊張感。
心なしか後悔にじむ?デリカの表情。
後景、デリラの後ろに立つ老婆は実はデリラと同じ輪郭だと気がつく。
聖書の中の物語の再現だけど、もっと深い意味があるのかも。

サムソンのように力の強いものも謀略で力を失い、
デリラのように若く魅力的なものも時間の経過で眼窩の落ち込んだ皺だらけの老婆になる。
外交官であったルーベンスは題材を聖書や古代にとりながらも、
深い人間観察と無常感のメッセージを込めたのではないかなー。

絵がにンボルを探すといろいろ解釈が出来て楽しいけど、一枚の絵を見るのに時間とエネルギーが必要。だから長い時間過ごしても見る絵の数は少ない。


明日は列車で郊外に庭か海を見に行く予定。
明日の予報は雨。雨の日は自然の匂いが濃くなる。
ただ寒いんだよねー。
緑の古めかしいオーバーコートを着て歯医者から出てきたお婆さんが羨ましかった!
by endoms | 2008-08-21 07:03 | 自分の旅