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んちゃって英語ガイド

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キャベツ人形

ニューヨーク 1988年12月。
午後早くロックフェラーセンターのクリスマスツリーを見にきた。
スケートリンクはがらんとしていた。
わーいと子供たちが飛び出していく。
コガモのパパ?になった夫は3人の先頭に立ってゆっくりすべっている。
映画で見た風景ジャン!
一人取り残された私はあたりを颯爽と歩く人並みを見ていた。
クリスマスはもうすぐ。
毛皮のコートでたくさんの紙袋を抱えて大きな車に戻っていくライザ・ミネリ風女性。
黒のカシミアのダブルの打ち合わせの長いコートでアタッシュケースを提げて足早に歩くリチャード・ギア風男性。

夕方ホテルに戻り、エンパイアステイトビルまで歩く。
6時にはあたりは暗い。
近道をしようと裏通りに入る。
それにしても、工事中の建物、はがし残されたビラが重なる建物。
紙くずが風に舞い、建物の換気口がある地面にはホームレスが座っている。
物騒な場所かもねー。と夫と話しながらいると前方にゴミ収集車が来た。
ごつい黒人が5-6人、降りてきてゴミ箱からゴミをあける。
白い歯だけを見せてやってくるその中の一人の若者。
わー何?何?
ゴム手袋にはしっかりキャベツ人形が握られていた。
「きれいだよこの子。かわいがってやって!」娘に手渡す。
ありがとうといいながら、収集車に手を振り見送る。
収集車の運転手も笑顔になった。

角を曲がったところで、
まだ新しそうな人形をゴミ箱にいれた。
悪い でも ごめん でも。
やっぱりゴミ箱からの人形はもらえなかった。
好意だけもらおうね、と子供たちには話したけど。。

きれいなキャベツ人形はどうしてゴミ箱行きになったんだろう。
クリスマスになるといつも思い出す。
by endoms | 2008-03-25 09:53 | 自分の旅