昨日は腕にはめ込まれていたチタンの板を抜く手術
部分麻酔で手術を見学
板を入れる時は希望したのに、駄目と言われ全身麻酔で目覚めるとすべてが終わっていた。
残念だった。
今回は起きていたいと希望し部分麻酔を選択
自分の手術を意識しながら経験できるなんて体験そうあるもんじゃない。
見ることはできないけど、気配と話声は分かりますよ という。
手術が始まる直前
「見たいですか?」
医者が言う
もちろんみたいに決まってる!
彼は
視界を遮る布を低くしてくれる。
上体を少し浮かせると手元が覗き込める。
時々声をかけますけど、見たいときは見ていて良いですよ。
わーい
腕にメスが入る
かなり深い
わー150ミリぐらいですか?
いやもっと深いですよ。
でも太ももの手術に比べたら。。
ほら、この白い太い筋が腱ですよ。
イカの骨みたいですね~~
人間の筋肉ってきれいでピンク
腱にも神経にも触らないように骨ぎわまでメスを入れてチタン板を取り出しますよ。
ねじを6本見つけて取り出してからね。
ねじ山に肉が。
肉を削ってねじ山を見つけてプラスのドライバーでくるくる回してねじを外していく。
肉を作ってる細胞からしたらたまったもんじゃないだろうな。
細胞はねじも板も自分に取り込もうとしてしっかり周りを取り囲んでいる
それなのに
きりきりと金属の表面から肉組織をこそぎ落として
ギリギリ
ああ、細胞たちが困っている
せっかく
同化しようと異物を受け入れてきたのに
細胞たちが戸惑っている
侵入者とやっと馴染んだら、また引き離されるんだから
なんか不思議な申し訳なさを感じる。
・・
しゃりーん
しゃりーん
と釘が抜かれ皿に落ちる
最後はチタンの板。
傷口よりも大きい板が出てくる
わおっ!
腕の良い執刀医の仕事を邪魔にならない程度に見学をしておしゃべりをしながら
無事に手術終了
自分の腕にメスが入っている姿を見たのは感激
楽しかった~~
手術後数時間 腕はゴロンとした物体のよう、何の感覚もない。
しばらく横になっていてくださいとの事で
点滴で補液して なんか病人みたいな気分で
横になっていると
もう起きろという
腕はまだ無感覚
まだ、寝てます。
またすぐやってきて
上体を起こしましょうか?
と催促する。
いいんです。
ずっと忙しかったので、せめて手術の後は泥のように寝てたいんです。
きっと腕の感覚が戻らないのが心配なのかもしれない。
でも、大丈夫に決まってる。
ぐったり ができるのも今日だけだ
グーと寝てしまおう!
zzzz
お夕食ですよ~~との声でむっくり
ああ。
腕の感覚も戻っている
やったー
今日初めての食事
おかゆならいいかも~~
って蓋を取ると
スープカレー???
病院で?
ありえない?
何度も拒否りながら、食べてみるとこれが美味しい!
今どきの病院って!
食事もおしゃれ。
元気になったので夜中までベッドで仕事。
たった一泊の貴重な入院時間でした。
退院してコーヒーを飲みながら
傷だらけになったチタン板を眺める
たった6か月ほどでも一緒に暮らしたこの子達