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んちゃって英語ガイド

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『ターミナル』の一場面の翻訳

翻訳の自主課題の提出日。
みんなの力作がそろい感動。
素晴らしい努力とひらめきの作品に出合うと教師冥利に尽きる。

自作の英詩を日本語に翻訳した学生
歌詞に合わせた自分の人生のエッセーを英語と日本語で作成した学生
20ページもの長い童話を翻訳した学生。
みんなすごい!

ある学生の作品は
映画「ターミナル」の一部の翻訳

主人公の行き場のなさが
自分の人生と重なって、
何度も見ました という。
彼女の悩む姿を去年から見てきただけに
本当に胸にせまる

許可をもらい・・
さわりだけ。

TERMINAL

主人公のナボロスキーは祖国にも、ニューヨークにも入国を禁止され、空港に閉じ込められていました。その空港生活も長くなってきたころ、主人公が隣国出身者の見知らぬ男を助けるシーンです。その男は、祖国で待つ病気の父親のために薬を持ち帰ろうとしたところ、米国の保安官に取り押さえられました。その男は暴れていました。どうしても、その薬を持ち帰りたかったのです。そこで、ナボロスキーが通訳として連れてこられました。その後、薬は押収され、男は連行されていきます。米国では、特別な許可なしに、病人のための薬を国外に持ち出すことはできないのです。病人のためには…
************

★ナボロスキー
◎保安官長
✾取り押さえられた男
**************
★Goat…
 やぎ…
 Goat! the medicine is for goat.
やぎだ!その薬はヤギのためだと彼はいったんだ

◎Why? What are you saying?
なんだ?なんて言った?

You misunderstood him? It’s not for his dying father?
勘違いしたのか?死にかけてる父親のためじゃないのか?

★Krakozhia‘s word “ Goat “ sound is similar to his word “gone”.
クラコウジアのヤギと彼の国のヤギの発音はにてるんだ

I made a mistake.
勘違いしたようだよ

◎Why are you doing this, Viktor?
なに考えているんだ?ナボロスキー!

You read the blue immigration form.
入国審査の青いフォームを読んだな…

The one says if it’s an animal, he doesn’t need the license. Then he can bring the drugs in.
薬が動物のためなら許可は必要ない、薬を持ち出すことができるということを読んだな


(ナボロスキーは入国許可申請のために、毎日青いフォームを書き続けていたのです。)


◎That’s good, Viktor. That’s very good.
考えたな…いい考えだ

◎Why are you doing this? Huh?
だが、いったい何のつもりだ。

◎You don’t know him. You don’t know the rule.
おまえとあいつは関係ないじゃないか。こんな規則を持ち出す必要なんてないだろう

★Look at me. I was going to help you.
いいか?なんとかしてやりたいんだ。

◎I want to hear him say it.
俺は、あの男が何て言うか聞きたい

◎I want to hear him say who the medicine is for.
あの男はだれのための薬だといっているんだ?

◎Please, who the medicine if for.
いいか?薬はだれのためだ?

◎Who are the pills for?
だれの薬だ !?

(ナボロスキーが再度通訳しましたが、その男は何も言いませんでした)

◎OK. The pills stay. He goes.
もうおしまいだ!薬は持ち出させない、彼をつれていけ

◎That’s it.
おひらきだ!

・・・

✾Goat.
ヤギ…です

✾Please for goat. Medicine for goat.
ヤギの薬です…やぎを助けてください

★Give him the pills.
どうか薬を…

(その男は覚えたてのようなヘタな発音でGoat と言ったのです)

★He love the goat.
よっぽどヤギが好きらしい。


最後にナボロスキーが保安官に言ったのはこの一言でした。

彼は偽善的な行為で人を助けたりするのではなく、
ごく自然です。
ありのままの彼のキャラクターが周りを救い、幸せにしていました。
彼のキャラクターの良さがもっともでているシーンだと思います。
また、このシーンは簡単な英語だけで複雑な人情が表現されているので、
とても面白いと思いました。
実際に本編を見ていただければ、
簡単なフレーズでも解釈は多様にあるということを感じてもらえるような場面だと思います。

***

心理学専攻4年の彼女は、
自分の道が違うところにあったことに気づき
悩み、卒業後に希望をかなえるべく、大学受験予備校に通い始めた
来年は獣医学科を受験する予定。
勉強がこんなに楽しかったことはない という。
実際TOIECのスコアも本当に驚異的にUp。
by endoms | 2009-07-24 20:40 | 翻訳は楽し