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んちゃって英語ガイド

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春 を告げる 魚

6月10日からヨサコイソーラン祭りが始まる。
この時に必ず使われるのが鳴子とソーラン節。

ソーランとはニシン漁で網を曳く時に漁師たちが
声を揃えて力を合わせたかけ声
ヤーレンソーラン
ソーラン節発祥の地の石碑が積丹半島余市の
豊浜と美国にある。

でも、ニシン漁は江戸時代から行われていて
東北地方にも似た歌があるらしいので
発祥の地と言えるかどうかは疑問視される。

ニシンが1950年頃からとらなくなり、
沖揚げ音頭だったこの歌も歌われなくなるのではと
危惧した余市がその保護運動に力を入れているのが石碑がある理由なのでは。

北海道とソーラン節は来ても切れない。
なぜかというと
北海道の開拓が進んだ明治初期には
昆布などとともに
ニシン漁が大きな資源だった。

ニシンは3月から5月にかけて海流に乗って
北海道の沿岸にやってくるので
別名を
春告魚 といった。

the harbinger of spring で何を連想?
鳥ですか?
cuckoo?
lark?

いいえ、
ここでは
herringです。

北海道ではニシンなのです。

ニシンの大群がきて前浜はにぎわった。
網元が家や番屋を建てるために内地から
職人を呼んだ
街ができ工芸、商業が発達した。

ニシンは食料、肥料として内地に送られ
内地で木綿を育てる肥料に使われ日本の繊維産業を支えた。

江戸期からのニシン漁は明治期から大規模に行われ、
最盛期を迎えその後、全く来なくなった。
ニシンがとれない時代が50年間以上も続く
原因は乱獲による資源枯渇
潮流の変化
海水温の変化
などと言われている。




ニシンというと
英語ではred herringを連想し
怪しいことを隠すための奇策
あるいは腐った魚
というイメージ?
それに酢漬けのニシンは北欧の朝ごはん?

だが、北海道では
ニシンと聞くと2つのことを連想する
ひとつは春の始まり
もう一つは栄えてやがて没落した多くのニシン漁師の物語。

しかし最近稚魚の放流などで資源が復活する気配があり
数年連続して春にはニシンが豊漁だ。
ニシンのオスの放出する精子で海は銀色に光り
その様子が今年もテレビニュースになっていた。

ニシンが大漁でも
漁法が変わってしまった今ではソーラン節は歌われない
しかし、6月には約300チームの4万人以上が春を告げるこの歌に合わせて踊り
往時の春が華やかに思い出される。
by endoms | 2009-04-17 21:31 | ホッカイドーって良いよね!